ついに行ってきました、北アルプスです。
メインは涸沢カールです。
例年9月下旬から10月上旬が紅葉のピークになると聞いていましたので、9月下旬に行きました。
登山計画
木曜日の仕事終わりに安曇野市街地のホテルに前乗りして宿泊、金曜朝から行動開始です。
1日目(金) 安曇野⇒三股登山口【車】
三股登山口⇒蝶が岳【歩】 テントを設営
蝶が岳⇔常念岳【歩】 ピストン
蝶が岳ヒュッテ テント泊
2日目(土) 蝶が岳⇒横尾【歩】
横尾⇒涸沢【歩】 テント設営
北穂高岳⇒奥穂高岳【歩】 ジャンダルム(滑落・遭難多発箇所)見学
奥穂高岳⇒涸沢【歩】 テント泊
3日目(日) 涸沢⇒蝶が岳【歩】
蝶が岳⇒三股登山口【歩】
三股登山口⇒自宅(神奈川)【車】
日程 | 移動距離 | 標高差(登/下) | 宿泊地 | 値段 |
---|---|---|---|---|
1日目(金) | 14.5km | 2,570m/1,203m | 蝶が岳ヒュッテ(テント泊) | \2,000 |
2日目(土) | 14.4km | 2,024m/2,376 | 涸沢ヒュッテ(テント泊) | \2,000 |
3日目(日) | 14.4km | 1,217m/2,232m | - | - |
行程を見ると結構1日当たりの距離が長いですが、1・2日目には宿泊地にテントを設営してそれぞれ常念岳・北穂奥穂に向かう予定なので重い荷物を背負って歩く時間は少ない予定です。テント設営後は必要装備のみをトレラン用のリュックベストに入れて移動します。
出発までの準備
装備に関しましては前の記事で書いたとおり買いそろえてあります。
調理器具などはキャンプで使用していたものを流用します。
そういえば、登山者とキャンパーで同じものを指しているのに呼び方が異なるものがありますよね。
例えば
キャンパーはクッカーと言いますが、登山者はコッヘルと言いますよね。
あとこれ
キャンパーはヘッドライトと言いますが、登山者はヘッドランプと言います。
わたしはキャンプから始めているので随所にキャンプ用語が出てしまうかもしれません。
迷ったのは食料です。
1日目昼・夜・2日目朝・昼・夜・3日目朝・昼 の7食分が必要になります。
これは結構な負担です。減らしたいです。。
そこで昼ご飯はカットすることにしました。カットといっても食べないわけではなく、行動食で賄ってしまおうということです。
これで3食減らせましたね。あと山荘でごはんを食べれば持っていける食料を減らせますが、万が一遭難などした時のことを考えて予定よりも多めに持っていきたかったことと、山荘で嫌な思いをしたことがあり、実際には山荘で食べるかもしれませんが山荘で食事は計画に入れないことにしました。
その分行動食をたくさん買いそろえました。
カロリーメイトのような食べ物が各所から発売されていましたので、食べ比べて厳選したものを持っていきました。
持っていく食事はパスタとドライフーズです。
パスタは標高が高いところだと水の沸点が下がり芯が残ってしまうので、細いものを使おうとゆるキャン△で言ってましたので、一番細いカペッリーニ(太さ1.3mmのパスタ)を持っていきました。
ソースはかさばらないという理由でキューピーのあえるパスタシリーズです。これは美味しくて小さいのでおすすめです。
このシリーズは今のところはずれがありませんが、特におすすめはこれです。
肉がゴロゴロ入っておりドミグラスが濃厚でおいしいです。
ちなみにパスタは失敗でした。
蝶が岳ヒュッテの標高は2,677mです。確かに水の沸点が低いせいか(わたしの調理が下手なせいか)全然上手く茹でられず、カペッリーニでも芯が残っているのに周りはグズグズでした。
まるで博多ラーメンの替え玉(バリカタ)を食べているようで美味しくなかったです(博多ラーメンを批判しているわけではないです!パスタとして食べるものではないという意味です。)。
でもカペッリーニは半分に折るとトランギアのメスティンにピッタリ収まります。
これにパスタソースを入れるときっちりスタッキングできて幸せですので、高所でのカペッリーニの茹で方について今後研究していきたいと思います。
1日目(1日中快晴)
安曇野市街〜三股登山口
本日の日の出は5:41です。
ヘッドライトがあるので暗いうちに登り始めることも出来ますが、そんなに長い行程でもないので明るくなってから登山を始めることにしました。
安曇野市街から三股登山口までは30分くらいかかるうえ、コンビニで水も仕入れたいので、5時前に出発です。
でも結構明るいです。
5:40三股登山口駐車場着
駐車場にはまだ10台くらい空きがありました。明るくなってますが平日の日の出時刻前でこれですから、休日はもっとすごいのでしょう。
登山開始〜蝶ヶ岳ヒュッテまで
5:50登山開始
三股登山口を始め蝶ヶ岳・常念岳は熊の目撃情報が多く、駐車場に出没したこともあるそうです。
駐車場には結構人がいましたが、さっさと準備してすぐ出発しました。
今回は熊撃退スプレーを持ってきましたし、熊鈴も音が大きいものに新調しましたので準備はばっちりです。
ちなみに熊撃退スプレーは結構高いです。中身も唐辛子エキスのスプレーですしなんとなく虫除けスプレーとかと同じ感覚で買えるかなと考えていましたが、実際は10,000円以上します。
ただ結局襲われるか襲われないかは熊の気分次第ですよね。猟銃で撃たれても熊が人に襲いかかってくる動画を見たことがあります。
教科書どおりの対応をして目を逸らさず向き合ったとしても、近づいてきたときに熊撃退スプレーを鼻先に直撃させたとしても、熊様が「食べよう!」と思えばなすすべないのかな、と思います。
そんなこんなで出発しましたが三股登山口から蝶ヶ岳のルートは人が多くて結構安心して歩けました。
新しく購入した熊鈴もほとんど消音モードにしてました。
熊鈴の音が好きでない方もいらっしゃるそうですのでわたしは人とすれ違う時は消音モードにしています。でもわたしは熊鈴の音が好きですので消さなくてもいいと思います。流石に人の多い山頂や山小屋では消したほうがいいと思いますが…
6:20頃 ゴジラみたいな木に到着
ベンチがありましたが登山開始後間もないので写真だけ撮って進みます。
7:00頃 まめひら平に到着
ここで行動食を取り息を整えました。
ここまでは鎖も急登もなく、ずっとじんわりした登りです。
8:40頃 雲海が見えてきました
このあたりは結構きつい坂も多かったです。2泊分のテント泊荷物を背負っているのできつかったですが、常念岳がずっと綺麗に見えていたことと、大倉尾根でトレーニングをしてきましたので「大倉尾根よりまし!大倉尾根よりまし!」と自分を鼓舞して登りました。
8:50頃 樹林帯を抜けました!
相変わらずの快晴です。
紅葉はまだだと聞いていましたが、若干紅葉していて秋の気配を感じました。(とはいえもう9月末です、例年であれば秋真っ盛りですよね…)
ハイマツ帯を抜け…
9:00頃 蝶ヶ岳ヒュッテ到着!!
三股登山口から登ると蝶ヶ岳(または常念岳)を登り切るまで穂高連峰など北アルプスを代表する景色は蝶ヶ岳常念岳を挟んで向こう側ですので見られません。
初めて肉眼で見る、今まで雑誌やネット記事で何度も何度も見ていた景色にとても感動しました。来てよかったです。
憧れの槍ヶ岳もすぐ近くです!
ひときわ尖っているのが槍ヶ岳です。
蝶ヶ岳ヒュッテ到着後
ヒュッテ内で受付をしてテントを設営しました。受付用紙にこの後の登山計画を書くのですが、結構細かく聞かれました。穂高には登ったことがあるのか?涸沢ではテント泊か?など、、
遭難が多いので丁寧に聞いてくれているのでしょうか。
設営をしたのは9:20頃ですが、1名だけ既に到着された方がいらっしゃいましたので2番目です。
場所は選び放題です!でも初のテント泊なのでどこに設営すればいいかよくわかりません。。
下調べした限りで場所の決め方は
○風が強くないところ⇛稜線かつほぼ山頂なのでどこも変わらないかな?と思いました。
○平地⇛一番平らなところを選びました!
○景色がいい⇛これは迷いました。西側は北アルプスが一望できますが東側からは月と朝日が登ってきます。しかもこの日は中秋の名月です。
○トイレなどが遠くない⇛そんなに広いテント場ではありませんでしたのでどこでも変わらないと思います。
結局決めきれずちょうど真ん中くらいにしました。
蝶ヶ岳にそびえ立つわたしの城(中国製)です!立派です!
そういえば事前に情報収集をしているとき、「北アルプスのテント場はペグが刺さらないから不要、みんな石に結んで固定してる」と主張している方がいらっしゃいました。
もしかすると蝶ヶ岳ヒュッテ以外のテント場ではペグが一切どこにも入らないという可能性も………いやないだろ。。
これからテント泊を始める方がいらっしゃいましたらペグは絶対持っていくようにしましょう。
石より安定感があります。
オスプレーさん(大容量ザック)にはテントで留守番をしてもらい、ファーストエイドキット・レインウェア・行動食・水・ヘッドライト・モバイルバッテリ・ヘルメットを持って常念岳に向かいます。
蝶ヶ岳⇔常念岳ピストン
9:30頃 蝶ヶ岳ヒュッテを出発
蝶ヶ岳と常念岳の間にある蝶槍というピークまではずっと気持ちいい稜線歩きです。
左手に槍ヶ岳・穂高連峰、右手に安曇野市街を見ながら進みます。
左手に見える景色です。
10:00頃 蝶槍到着!
山頂標識はなかったですが、TOPと書いてありました。
この後は樹林帯に入ります。
しばらく進むと藪の中から発電機のような音が聞こえました。
おや…?と思い振り向くと藪の中からまた発電機の音が聞こえます。
じっと藪の中を観察しましたが熊らしきものは見つかりませんでした。ただ発電機音と発電機音の間に明らかに息を吸う音が聞こえました。
威嚇されてるのかな…?と思ったまま駆け足で進みました。
少し進むとカップルとすれ違いました。
念のため「藪から熊の威嚇みたいな音が聞こえたから気をつけてください」と言いましたが、外国の方だったようでわかってもらえたかわかりません。
熊騒動があったせいかどっと疲れてしまいました。
11:00頃 ようやく樹林帯を抜けます
常念岳が間近に見えます。
常念岳は僧が常に念じているような山容であることからその名がついたらしいです。
念じているように見えますか?
常念岳山頂付近の核心部は岩稜帯です。
浮き石は少なく歩きやすかったですが、雨の日などは滑るかもしれませんので気をつけてくださいね。
蝶ヶ岳から向かうと常念岳山頂のほんの少し手前に一つピークがあります。
疲弊していた心の中の怠惰なわたしは「もうこのピークを常念岳とする!人には人の山頂があるんだ!」などと言っています。
でもなんとか・・・
11:50頃 常念岳登頂!
とってもとっても疲れました。
山頂アンパンを今回は持ってきませんでしたがほんとに悔やまれました。。
もうわたしの中で山頂とアンパンは切っても切り離せない仲になってしまいました。
山頂では調理をしている方が結構いらっしゃいました。横目で料理を盗み見しましたがどれも美味しそうです。羨ましいです。
あまり疲労は回復しませんでしたが、行動食を補給し蝶ヶ岳に帰ります。
同じ道を進みます。
登る時はへろへろでしたが下りはやっぱりスイスイ行けます。
樹林帯に入ってからは上りも結構ありますがそれほど疲労は感じませんでした。
やっぱり景色がいいからでしょうか?あとはテントに帰って寝るだけだからでしょうか?
人の体は謎が多いです。
行きに発電機音がしたところも帰りは特に問題なく通過できました。
蝶槍でゆっくり休憩し、
15:50 蝶ヶ岳ヒュッテ到着!
なぜ帰りに全然疲れなかったかわかりました!
行きは2時間弱で蝶ヶ岳⇛常念岳を歩きましたが、帰りは同じ道に3時間半以上かけています。
それは疲労も少ないわけですよね。
蝶ヶ岳ヒュッテ帰宅後
帰ってくると結構テントが増えていました。
とはいえテント場全体を見るとまだ15張りは十分できそうなくらい空いてました。
何故かわたしの周りだけ密になっていました。
ちなみに周りはアライテントやモンベル、msrなど有名メーカーのテントばかりで中国製テントは一人もいませんでした。。
まぁそんなことはさておき、
腹ペコでしたので早速食事にします!
アルファ米のチャーハンを食べました。旨味が強くて塩分強めで疲れた体に効きます、美味しく食べられました。
あと意外に量が多いんですね、見た目から「これ一つでは足りないかなぁ」と思ってましたが、これにコーンスープをつけたこともあり充分でした!
夕暮れ〜就寝前
その後は山荘で買った缶ビール(¥900:500ml)を持って散歩をしつつ夕暮れ、中秋の名月の登場を待ちます。
やはり稜線上は強風でしたので上はインナーダウンとウインドブレーカー、下はダウンパンツを履きました。
これで寒くはありません。
あー沈んでいく…
太陽さん今日も一日お疲れ様でした、また明日もよろしくお願いします。
夕日や朝日はなぜ赤いのでしょうか、よくわかりません。
北アルプスに沈む夕日はあまり赤くなかったですが、逆の安曇野市街側は何故か赤くなっていました。
手前のハイマツも含めて綺麗です。
そして楽しみにしていた、
中秋の名月のご登場!!!
丸っ!!大き!!!(@_@)と驚きました。
それに加えて明るいです。
これは昔の人が月に名前をつけた理由がわかりますね。写真が下手ですみません。
日は完全に沈んでますがヘッドライトいりませんでした。
フラッシュ無しシャッター3秒です。
月明かりでこの明るさはすごくないでしょうか。
この後またお腹が空いたのでカッペリーニを一食食べました。おやおや?予定では一日目に食べる食事は一食の予定で食料を持ってきたのでは?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
その理由は2日目の記事でお話します!
というほど引っ張れるネタでもないので理由を言いますと、2日目で帰ることにしたのです。
メインにしていた涸沢も北穂高岳も奥穂高岳もカット、三股登山口に戻ります。
理由は天気です。
2日目(土)の夕方から雨風が強くなり、それが3日目(日)まで続くとの予報になっていました。
なので泣く泣く切り上げて帰ることにしたのです。
夜寝る時は
風が強くテントが不安でしたのでペグをしっかり打ち直し張り綱も強化して9時過ぎに眠りました。
インナーダウンとダウンパンツを脱ぎ3シーズン用のダウンシュラフで安眠できました。
やっぱりコットを持ってきてよかったです。
中国製テントでもばっちり稜線強風テント場で使えることを実証できて満足です!
今回はここまでとさせていただきます。
ここまで読んでいただいてありがとうございます、お疲れ様です。