北岳に滑り込んできました【二日目】

前回の記事の続きです。

⇓前回

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午前2時頃、風の轟音で目が覚めます。

 

轟音が過ぎるのでもしかしてテントのフライシートが飛んで行ってしまったのかな?と外を見るとわたしのテントはしっかり風に耐えていました。中国製テントも侮れません。

わたしが使用しているテントは⇓です。

mobigarden.jp

よしよし・・と思って再度眠りました。

 

ちなみにシュラフはNANGA オーロラライト750DXです。快適温度-8度・下限温度-16度です。

nanga.jp

この日の最低気温は−7度でしたが、速乾Tシャツのみで全く寒くなく過ごせました。

コットはヘリノックスのライトコットですが、こないだ平地でのキャンプで使ったとき底冷えを感じました。前に使っていたコットは真冬に寝ても底冷えを感じることはありませんでしたので、ヘリノックスの方が布が薄いんだと思います。このため今回北岳にはエアマットを持っていきました。エアマットの効果は絶大で、テントはもちろん外で星空を眺めているときも底冷えは全く感じませんでした。

試しにエアマットを外してみるととっても寒かったです。

今回よく眠れましたので、キチンとインナーダウンやフリースなどを着れば厳冬期の冬山でも問題なく眠れるのではないかな?と思いました。

 

5:00頃起床し外に出てみると、、明らかにポールが折れたテントがいくつかありました。。。下山中話した方も深夜テントのポールが折れてしまったとおっしゃっていました。そして朝になった今も爆風です。

ハイマツの陰に張ってほんと良かったです。

朝日を見て軽くカロリーメイトを頂きまして、コーヒーを飲みながら今後の計画について考えます。

朝の北岳山荘からの眺めです

ハイマツ帯と雲海と山脈です、綺麗ですね。

 

本来であればここにテントを張ったまま間ノ岳までピストンする予定です。でもこの爆風の中テントを残すのは少し不安です。では片づけて荷物だけおいてピストンしましょうか?この強風で、間ノ岳方面は北岳よりだいぶ凍結しているように見えます。

片道1時間弱のコースですが足を滑らせ風に飛ばされたら・・・

 

 

 

計画変更です!片づけてもう帰りましょう!!

一度起きたとはいえしっかり寝られて体力も回復した上、風以外は天気も良かったので計画変更は悔しかったですが、安全のために帰ることにしました。

 

7:20頃 北岳山荘出発

登るときは肩の小屋経由のルートで登りましたが、下りは八本歯のコル経由のルートです。こちらのほうがはしごや岩稜帯が多いそうです。テント泊の荷物を背負って岩稜帯を通過するのは不安でしたが、そのうちテント泊を背負って岩稜帯を通過しなければ登頂できない山に登ることもあるでしょうから、経験のためにこの道を通ろう決めたわけです。

 

北岳山頂/八本歯コルの分岐までは稜線を歩くのですが、ここの風が強くて歩くだけで精一杯でした。風も冷たいですし下山の中ではここが一番つらかったです、下山の時に話す方皆さん「稜線大変でしたね・・・」とおっしゃっていました。

 

分岐をしばらく進むと山の陰に隠れて風は止みました。

ここからは山肌をトラバースするような道が続きます。

先のほう、道が壊れているように見えるかもしれませんがしっかり安定した道です。風もないので不安は全くなく通過できました。

 

八本歯コルから先は岩の斜面を降りることになります。

そしてここは日陰です。つまり・・・

凍結しています!

カッチカチのガチガチです。

チェーンスパイクなんて全く入りません。写真ですと凍結箇所が少なく見えますが、実際は結構凍っていて、どこもツルツルです。

どうしたものか考えていると、後ろの方から「チェーンスパイクは入らないだろうから、登山道をそれて脇の凍結していない道を通った方がいい」と助言を頂きその通り歩きました。脇道は浮き石が多いところでしたので何度か足を取られましたが、無事通過できました。テント泊装備と浮き石道は相性が悪いですね。

 

正規の登山道に戻るあたりでご助言頂いた方が休憩しておられました。「おかげさまで通過できました!ありがとうございました!」と言うと、「そこの沢の水がとても美味しいですよ」と。

そうです、ここは北岳南アルプスです!南アルプスと聞いて登山をしない方が真っ先に思い浮かぶのは南アルプスの天然水だと思います。

ではありがたくわたしもいただきます。

見るからに美味しそうです。

一杯すくって飲んでみると・・・

とっても美味しいです!利尻島で飲んだ甘露泉のように甘い!というわけではありませんがまろやかです。

きっとこれでコーヒーを淹れたらとても美味しいです。プラティパスに水を2Lきっちり入れて持ち帰りました。

プラティパスというのは水を持ち運ぶための強いビニールです。

水を入れない時は小さくできるので登山の時はとても便利なのです。

プラティパスはこんなものです

・・・といっても実はわたしが使っているのはプラティパスではありません。

エバニューのウォーターキャリーという似たものです。

わたしが使ってるものです

でもこれのことをプラティパスと呼んでいます。

エバニューのほうが値段が安く、プラティパスと同じくらい丈夫で、小さくたたむためのゴム紐がついていて、キャップをなくしたときもペットボトルのキャップで代用できるとのことでしたので、こちらを買いました。

 

9:50頃 白根御池小屋到着

やっぱり下山のほうがスピーディに下れます。

浮き石の多い下山は苦手なのですが、それでもコースタイムどおりで歩けて良かったです。

 

少し休憩しました、登りの時に出ていたアイスの看板は出ていませんでした。

 

白根御池からは樹林帯です。

特に通過困難箇所はありませんので本来であればスイスイ進めるはずです。でも足が疲れていますのでペースが上がってないような気がします・・・テント泊装備を持って練習に丹沢山系を縦走したときはもっと標高差も距離もありましたが、こんなに辛くありませんでした。

帰りのバスは10時・11時・12時と一時間刻みで出発し、12時の次は14時40分です。何とか12時までのバスに乗りたいなと思っていました。白根御池から広河原バス停までのコースタイムは1時間55分ですので、12時のバスには乗りたいと思って気持ちは急いでいました。あまり遅くなると中央道が混むかな、と思ったためです。

 

11:10 広河原到着

広河原から北岳を見上げます

コースタイムより早く着くことができました。これで下山完了ですので、もう遭難する心配はありません。12時のバスにも間に合いました!

あとは事故なく運転して帰るのみです。

時間がありましたので、紅葉の写真を撮ったりコーラを飲んだりしました。

紅葉です、青空とのコントラストがきれいです

本当は広河原山荘でお昼ご飯を食べようかと思いましたが、乗り合いタクシーが11:45分くらいに出発するとのことでしたので、ご飯は芦安についてからのお楽しみにしたいと思います。

乗り合いタクシーです

車酔いもしませんでしたし、荷物を膝に乗せる必要もなかったので楽でした。

乗り合いタクシーは芦安⇔広河原のマイカー規制区間を走りますがここはすれ違いが困難なところが多いです。でも工事車両のダンプカーやバスとよくすれ違います。

こんなすれ違いわたしはできません。

プロの技です・・・

乗り合いタクシーがトンネル内でバスとすれ違いました

 

こうして芦安に無事たどり着き、ここから自宅まで帰り着きました。

今回の山行も無事完了です!

初の南アルプスでしたが雄大で、どこまで見ても山脈が続いており一泊ではもの足りない!と思いました。

次回は仙丈ケ岳か甲斐駒に登りたいです。

 

 

そしてここからは今回の山行の反省会です。

反省ですが、良かったな、と思ったこともありました。

 

 

良かった点

〇テントの設営場所を選ぶ際、風が弱いことを最優先にした

前回の北アルプスでのテント泊では場所を決めるための要素が多いことから選びきれず適当な場所に設営しました。

結果、風が強くてテント崩壊の不安がありました。

なので今回は景色がいい、トイレに近い、人の通り道から遠いなどの条件は後回しにして、風が弱いことを最優先にしました。

これがよかったです。テントが壊れても基本的に修理してもらえますが、その山行は帰らざるを得ません(小屋泊に切り替えるという方法もありますが・・・)。今回も予報では15mくらいとそれほど強い予報ではありませんでしたが、実際は相当な暴風でした。風速15m/sというのは平地では強い風ですが、稜線では普通のようです。

景色はもちろんテントから見えれば気分がいいですが、景色が見たいときは移動すればいいと思います。実際夕陽も朝日もテント場から出て少し高くなっているところから眺めました。

次回以降も風が弱いことを条件に場所を決めようと思います。

 

〇エアマットを持っていった

底冷えを防ぐためにはエアマットが大事です、エアマットとナンガのおかげでTシャツ一枚で寝ることができました。たくさん着込めばもう少し少ない荷物でもいいかもしれませんが、服は薄いほうが快適に眠れますよね。わたしだけでしょうか?

エアマットはR値など全然気にしておらず、ただのビニールの空気を入れるだけのマットですので空気を抜けば全然かさばりません。今回はコットの袋に一緒に入れていきました。

次回以降も0度を下回る可能性があるときは持っていこうと思います。

 

〇コースタイムに余裕をもって計画を立てた

日帰り登山の時はコースタイム×0.6くらいで歩いていますので、前回北アの時は(テント装備を担いで登るの距離は少なかったですが)かなり長めのコースを設定しました。

でも今回は短め、少し早い人であれば一日でピストンもできる距離を二日で歩く計画にしました。

前回までは自分の体力を過信しすぎていたんだと思います。今回例えば間ノ岳の先まで一気に歩くような計画を実行していたら(それも計画の時候補に挙がりました)きっと歩き切れていなかったと思います。なぜか今回は疲れました。

こういうことがあるので、コースタイム×0.6で計画を立てるようなことは次回以降も避けたいと思います。

 

 

ここからは悪かった点です。

悪かった点

〇オーバーグローブを持っていかなかった

今回持っていったのはモンベルの防風性と通気性を両立し、裏が起毛している薄手のグローブです。

これは店員さんにも行動中に使うものですと言われた通り、滑らず行動中は良かったのですが、テントを設営し休んでいるとき手がかじかんでしまいました。まだ今年も行こうと思ってますので、オーバーグローブを買っていきたいと思います。

 

〇エアマットの袋をなくした

見出しのとおりです・・・

失くしてしまいました。結局コットの袋に一緒に入れるので構わないのですが、山を汚すことにもなるので反省しています。

 

〇おつまみを持っていかなかった

テントを設営してビールを飲むのは皆さん至福の時間だと思いますが、ここでしょっぱいおつまみがないとテンションも上がり切りません。

小屋で柿の種でも買おうかな、と思ったのですが、北岳山荘は食事の提供を終了していたこともあり、しょっぱいおつまみは何も売っていませんでした。わたしが持ってきたのはカロリーメイトなどの行動食とパスタ・カレーです、ビールのおともになるものは何もありませんでした。

次回は小屋に頼らずおつまみを持っていきたいと思います。

 

 

 

また、北岳は標高日本二位の3192mということもあって高山病が不安でした。

でも富士山に登った時に高山病の症状が現れたのが3300mくらいからでしたので、大丈夫だろうと考えていて、実際頭痛や吐き気などの症状は出ませんでした。

富士山に登った時の記事はこちらです。

taiyoro.hatenadiary.jp

いつもより疲れたのは高山病の初期症状だったのでしょうか?テント泊装備によるものだったのでしょうか?わかりません。

 

今回のyamapの結果です。

 

では今回はここまでです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。お疲れさまでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしが好きなおつまみはカラムーチョスティックです。ビールに合いますよね。

スナック菓子は手が汚れるのが嫌なので箸で食べますが、普通のカラムーチョより箸でつかみやすいのでスティックのほうが好きです。